Norizo|ノリゾー
Solo Exhibition
Overlapping
September 17 – Sptember 28, 2026
12:00p.m.〜7:00p.m.(最終日5:00p.m.閉廊)
火、水曜定休
Anicoremix Galleryでは、2026年9月17日より28日までNorizo個展「Overlapping」を開催いたします。
Norizo は国内外での展示経験を持ち、複数の展示で作品が完売するなど高い評価と実績を誇る注目の作家です。
彼の制作における根底のテーマは、「ノスタルジー」という感情の動きです。
古本やアンティークの洋服のように、経年変化によるくすみを想起させる独特の色合いは、私たちにふと懐かしさを呼び覚まし、「あの日」のあたたかな記憶へと連れ出してくれます。描かれたこどもの愛らしさに心をときめかせながら、鑑賞者はいつしか自身の幼少期の記憶と重ね合わせ、深く共鳴していくことでしょう。
本展では、「古いヘッドフォン」と「古いぬいぐるみ」という2つの象徴的なモチーフに焦点を当て、空間全体をそのノスタルジックな空気感で静かに包み込みます。
Norizo の作品は、今と過去を自由に行き交うための「装置」として、私たちを特別な感覚へと導いてくれます。
時が幾重にも重なり合う体験を、ぜひご堪能ください。
私の制作の根底には「ノスタルジー」という感情の動きへの関心があります。
そして、それらを喚起する対象として「古いモノ」をモチーフに取り入れて制作してきました。
本展でも様々な事物を描いていますが、中でも繰り返し登場してきた「古いヘッドフォン」と「古いぬいぐるみ」を今回のテーマの象徴的なモチーフとして位置付けています。
当時の技術と思想がデザインに現れているヘッドフォン。衣服の仕立てや量産技術の意匠を今に伝える、ぬいぐるみとその衣装。これらはどちらも、ある時代が生み出したプロダクトの姿をしています。役割を終えたこれらの物質は、ただその構造やテクスチャの美しさを剥き出しにして佇みます。いずれも自分が生きる前の時代に作られたものであり、直接体験していないはずなのに、私はその佇まいに強く引き寄せられます。
過去の思想と、現代を生きる私の感覚が画面の中で出会うとき、一体何が生まれるのか。それを確かめたくて、私はこれらを描き続けているのかもしれません。それらは相反することなく、一つの空間で重なり合い、静かに共存しています。
感傷的な回顧ではなく、物質を通して現在と過去が交差する「時間の重なり(Overlapping)」。その景色を会場で共有できれば嬉しく思います。
―Norizo

Norizo|ノリゾー
1977年長野県生まれ
1997年 東京デザイナー学院 イラストレーション科 卒業
2007年 講談社フェーマススクールズ(KFS)卒業
Norizoは、古いモチーフとキャラクターを通じて、特有のノスタルジーを探求するアーティストである。単なる感傷にとどまらず、時間を蓄積した物理的な存在感を、デジタル技術とアナログな油彩の融合というアプローチでカンヴァスに定着させる。近年はフランスをはじめとした国外での展示に多数参加し、現在は長野を拠点に制作を続けている。
私は、時間と共に消える何か——失うことで得られる何かを描いています。
作品に登場する古いモノは、かつての、ある時代の憧れを具現化したものでした。未来への憧憬を抱きながらデザインされた形は、今や摩耗し静寂の中にあります。
また、作品に登場する子供たちは、古い記憶に接続する媒介者です。そして古いモノが自然の流れの中で変容しながら朽ちていく時間と対比されつつも並走しながら、子供たちの時間は前へと向かっていく存在でもあります。
私は、デジタルと油彩の対話を通じて一枚の絵を構築します。デジタルで組み立てた構図は、時に私でも思いもよらない構造を見せてくれます。それを油絵具の重層的なマティエールへと翻訳していきます。その結果生まれる画面は、構造的であると同時にデジタルとアナログの蓄積でもあります。「今」作られたものでありながら「ずっとそこにあった」かのような感覚を目指します。
感傷としてのノスタルジーではなく、知覚としてのノスタルジー。
すでに過去になりつつあるものを、現在において再認識するという、時間の重なりを描きます。